平成28年8月28日13時30分より神奈川歯科大学付属横浜クリニック大会議室にて日本臨床歯周病学会主催・神奈川区歯科医師会・横浜市神奈川区行政共催で市民公開講座 全身疾患と歯周病のかかわり~目からうろこが落ちる情報がいっぱい~が開催された。当日は小雨の降る中でしたが神奈川区歯科医師会の活動により満員(120名)となった。
まず最初に日本歯周病学会理事長和泉雄一先生から「健康寿命を延伸するための歯周病対策」の講演があった。歯科口腔保健の推進に関する法律が施行され、「健康日本21(第二次)」が実施されることによって、歯科医療は「歯の健康」だけに焦点を合わせるのではなく、健康寿命を延ばすための医療として捉えられるようになり、「健康日本21(第二次)」の中で初めて、NCDsという用語が登場し、主要なNCDsは、心血管疾患、糖尿病、がん、慢性呼吸器疾患の4疾患があり、心血管疾患(CVD)・糖尿病の関係について詳しく説明があり健康寿命を延伸するために、歯周病を予防し、歯周治療を積極的に行うことにより、口腔の健康管理を進めることが重要と講演であった。
次に横浜市立大学医学部肝胆膵消化器病学助教 結束貴臣先生より「糖尿病・脂肪肝と歯周病について」講演があった。非常に解りやすい糖尿病の話がありNASH(アルコールを飲用しない方の脂肪性肝炎)の方は歯周病を治療することによりNASHの治療・改善に進展するという話が報告であった。
最後に二階堂理事長より「日本人はこうして歯を失っていく」の講演があり、歯周病は予防できる病気であり歯周病に対する正しい知識を持ち、ご自身の歯や歯ぐきの状態を知ることからまず始めてと講演されていた。また日本臨床歯周病学会ではこのたび日本歯周病学会と共同で、国民の皆様への正しい歯周病知識をお届けするために『日本人はこうして歯を失っていく』を出版したことを報告していた。質疑応答では、かなり勉強された参加者がいらして三人の演者も悩ます質問が多数となった。
最後は、神奈川区歯科医師会 西山潔会長の挨拶で終了となった。来年度の市民公開講座の開催は中部支部の予定です。