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理事長挨拶

「国民の皆様に寄り添う学会であり続けるために」

特定非営利活動法人 日本臨床歯周病学会
理事長 高井 康博

理事長 高井 康博

2021年4月1日より、本学会理事長に就任いたしました高井康博です。本学会は、1983年に「臨床歯周病談話会」として創設されました。その後、日本臨床歯周病学会と名を変え、2006年には特定非営利活動法人(NPO法人)日本臨床歯周病学会」として生まれ変わり、2021年3月現在5000名に近い会員を抱える学会へと成長してまいりました。本学会の理事長に就任することは、その責任の重さに身が引き締まる思いであります。

本学会の使命は、国民の皆様の口腔内の健康を通し、QOLの向上に寄与することであります。歯周病は国民病の一つと認識され、全身疾患に少なからず関係していることが、科学的にも証明されています。超高齢化社会に直面している日本にとって、今後さらに平均寿命が、100歳まで伸びるであろうとの予測には、大きな問題をはらんでいます。2016年の高齢社会白書によると日本人男性の平均寿命は80.98歳、女性87.14歳である一方、健康寿命は男性72.14歳、女性74.79歳と大きな差が認められます。この差が大きいほど健康の問題だけでなく、医療費や介護費の増大という問題を抱えることとなります。この差を縮小するためにも、国民の皆様の口腔内の健康の増進を図ることは、大きな意義を持ち、本学会は歯周病の予防と治療の観点から重要な役割を担っております。

2016年の8020推進財団調査によると歯を抜く原因の第1位は歯周病となっております。実は歯周病は世界で一番多い疾患であり、また、罹患してもなかなかご自身で気付きにくい特徴を有しております。歯を失うことは、食物を咀嚼すべく人間が生きていく上での最も重要な機能の一つの低下を意味します。このように、歯周病は口腔内のみならず全身の健康に、ひいては健康寿命やQOLにまで影響を及ぼす疾患であります。本学会では発足依頼、国民の皆様に歯周病の予防と治療の啓発活動を長年に渡り推進してまいりました。2016年と2020年には、日本歯周病学会と共著で、「日本人はこうして歯を失っていく」「続日本人はこうして歯を失っていく」を発刊しております。

また、本学会には歯周病、インプラント治療に関し歯科医師と歯科衛生士に認定医・指導医制度を設けております。HPより認定医・指導医の在籍する最寄りの歯科医院を参考にされてはいかがでしょうか。

今後も本学会は、市民公開講座や書籍の出版、SNSによる情報発信、学術調査、海外を含む他学会との連携などを軸に、国民の皆様に寄り添う学会として、より一層邁進していく所存であります。

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